著者 | Nyman H et al. | 雑誌名 | Blood | 発表年 | 2007 |
タイトル | Prognostic impact of immunohistochemically defined germinal center phenotype in diffuse large B-cell lymphoma patients treated with immunochemotherapy. |
要約
・DLBCLの患者について、免疫染色によりGCタイプとnon-GCタイプに分類
・化学療法のみの104名と、リツキシマブ+化学療法の90名を比較(化学療法は主にCHOP、CHOEP)
・化学療法のみでは、GCタイプの患者がnon-GCタイプの患者に比べて優位に予後が良かった
OS:GCタイプ70%、non-GCタイプ47%
FFS:GCタイプ59%、non-GCタイプ30%
・リツキシマブ+化学療法では、non-GCタイプの予後の悪さが大幅に改善し、GCタイプとnon-GCタイプで予後に大きな差はなかった
OS:GCタイプ77%、non-GCタイプ76%
FFS:GCタイプ68%、non-GCタイプ63%
・IPIで比較すると、やはりIPIが低い方が予後良好
方法
<免疫染色の方法>
・CD10、Bcl-6、MUM-1の発現で分類
・腫瘍細胞の30%以上が染まった場合を陽性とした
タイプ | 分類 |
GCタイプ | ・CD10陽性 ・CD10陽性+Bcl-6陽性 ・CD10陰性+Bcl-6陽性+MUM-1陽性 |
non-GCタイプ | ・CD10陰性+Bcl-6陰性 ・CD10陰性+Bcl-6陽性+MUM-1陰性 |
考察など
・リツキシマブがnon-GCタイプに対してどのような作用で効果を上げるのかは不明
・vitroの実験より、リツキシマブはNF-κB経路を抑制したり、Bcl-2関連のアンチアポトーシスタンパク質を乱したりするらしいので、それらによって化学療法が効くようになるのかも
・今後DLBCLの予後予測にGCタイプとnon-GCタイプの分類は使えなさそう。使えるのはIPIのみか。