悪性リンパ腫の種類 成人T細胞白血病

成人T細胞白血病

ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-1; human T lymphotropic virus type-1)によって引き起こされる、成人のT細胞性白血病。
悪性リンパ腫の一種ですが、大部分が白血化するために、成人T細胞白血病(Adult T-cell Leukemia:ATL)と呼ばれたり、成人T細胞白血病リンパ腫(Adult T-cell Leukemia/Lymphoma:ATLL)と呼ばれたりします。

発症

日本では120万人、世界では1,000〜2,000万人のHTLV-1キャリア(HTLV-1の症状はないが、
ウイルスを体の中に持っている状態の方)がいると推定されています。

成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)の発症は、HTLV-1キャリアの分布と一致することが知られています。
日本では、九州・沖縄・四国地方に多く、世界的にはカリブ海沿岸地域、南米アンデス地域、中近東、アフリカなどで多く見られます。

発症年齢は20歳代から70歳代まで(平均年齢は50歳代後半)です。
HTLV-1キャリアの内2〜3%の人が、感染して数十年経ってから病気を発症します。

臨床症状など

リンパ節腫脹、肝脾腫、皮膚病変が多いです。しばしば高LDH(乳酸脱水素酵素)値、高カルシウム血症が見られます。

末梢血中に出現するATLL細胞は、特徴的な花びらのような形状をした核を持ちます。 強い免疫不全を示すため、感染症にかかりやすくなり、真菌、原虫、寄生虫、ウイルスなどによる日和見感染症を高頻度に合併します。

成人T細胞白血病の種類

病状の進み方などから、次の4つに分類されます。
@急性型
 ATLL細胞が多数で進行が早く、生命にかかわる危険が高いです。
Aリンパ腫型
 白血病としてよりも悪性リンパ腫として経過し、急性型に転化しやすいです。血液中のATLL細胞の数は少なく、リンパ節の腫れが目立ちます。
B慢性型
 多数のATLL細胞がみられるが進行は緩やかで、慢性リンパ性白血病と似た経過をたどります。高LDH(乳酸脱水素酵素)値、高カルシウム血症があっても軽く、正常なこともあります。途中で急性転化し急激な経過をとることも多いです。
Cくすぶり型
 血液中に占めるATLL細胞の割合が数%と少なく、ほとんどが無症状のまま経過します。途中で急性転化し急激な経過をとることも多いです。

治療と予後

悪性度が高い急性型、リンパ腫型では積極的な治療を行います。 化学療法が行われますが、予後不良で多くの場合再発します。治療開始からの生存期間は6〜13ヶ月。若い人では同種造血幹細胞移植も行われます。

 くすぶり型と慢性型は抗がん剤を使用しないで様子を見ることが多いです。

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