悪性リンパ腫 PET

PET

PETとは?

PETとは核医学検査の一つで、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影法)の略です。
PETは、ポジトロン(陽電子)を放出する放射性同位元素で標識された薬剤を被検者に投与し、
その分布をPETカメラで撮影することによって、病気を診断する検査法です。

活発に増殖するがん細胞は、正常な細胞に比べて3〜8倍のブドウ糖を取り込むという
特徴があります。PET検査はその特徴を利用して、たくさんブドウ糖を取り込んでいる細胞を探し、
がんを発見します。

ブドウ糖に似た物質に目印をつけて(18-フルオロデオキシグルコース:18-FDG)
体内に静脈注射します。
注射後、数十分〜1時間静かに横になっている間に、FDGが血流にのって全身に運ばれます。
体中の細胞がブドウ糖としてFDGを取り込み、細胞に取り込まれたFDGが反応し、
放出される放射線(γ線)を、体の外からPETカメラで撮影します。

がん細胞が存在すれば、他細胞より薬剤が集中しているため、画像には光ったように写ります。
従来検査では発見が難しかった小さながんを検出することができます。

また、悪性度が高いものほどブドウ糖(=FDG)を多く取り込むため、反応の強さで悪性度も推測できます。
PET以外にCTなどの検査を併用し(PET-CT)、画像を重ねることで、より場所が断定しやすくなります。

PETの価格

PETは、健康な人へのがん検診には保険はきかないのですが、
がんの転移などを調べるのには保険が適用されます。
血液検査などの他の検査で悪性リンパ腫の疑いがあれば保険適用されます。
私のときも保険が適用され、3割負担で3万円ちょっとでした。

PETのメリット、デメリット

 ●メリット

・小さながん(直径1センチ以下)も検出できる
・光り方の強さで悪性度の診断ができる
・全身を1回の検査で調べることができる
・注射から検査まで、1日で完了。痛みもほとんどない

 ●デメリット

・FDGは尿中に排泄されるため、腎臓や膀胱など尿路系の腫瘍は見つけにくい
・肝がん、腎がん、胃がん等のようにFDGが集積しないがんも発見は難しい
・脳はもともとグルコースの消費が多く、周囲の脳がFDGを取り込むため、脳腫瘍は相対的に検出率が落ちる
・炎症を起こしているところにもFDGが集積するため、炎症病巣とがんの区別が難しい


 PET検査が得意ながん

頭頚部がん、肺がん、乳がん、膵がん、大腸がん、卵巣がん、子宮体がん、悪性リンパ腫、悪性黒色腫など

 PET検査が苦手ながん

肝がん、胃がん、前立腺がん、腎がん、膀胱がん、子宮頸がんなど

PET検査の流れ

検査前の絶食

検査5〜6時間前から絶飲食します。
※水分をとる場合は、水または甘みのないお茶だけにしましょう。

FDGの注射

検査着に着替え、点滴で静脈にFDGを注射します。

安静タイム

注入されたFDGが全身にいきわたるまで、横になって静かにすごします。(30分〜1時間)
このとき、刺激を受けるとそこにFDGが集積してしまうため、本を読んだりテレビを見たりすることはできません。
また、寝てしまうのもよくありません。寝ていびきをかくと、鼻の周辺にFDGが集積してしまうからです。

安静タイム終了後、膀胱内のFDGを排泄するため、トイレに行きます。
尿がたまっていると、検査結果に影響するからです。

PETの撮影

台の上にあおむけになり、そのまま台ごとドーナツ状のPETスキャナーの中を通過しながら全身の断面を撮影します。(30分程度)

検査終了後の安静タイム

検査終了後、体に残ったFDGを減衰させるため、20分程度安静にします。
このときはテレビ、雑誌など見てもOKです。あとは着替えて終了です。

PETの原理

PETは正の電荷を持った陽電子(ポジトロン)が消滅するときに放出するγ線を検出する装置です。

普通、「電子」は負の電荷を持っていますが、それとは逆に、ポジトロンは正の電荷を持っています。
正の電荷を持つポジトロンと負の電荷を持つ普通の電子は、互いに引き寄せ合う性質があるため、
ポジトロンは物質中を数ミリメートル飛んだ後すぐに電子と結合し、この瞬間にポジトロンも電子も消滅します。
この時、2本のγ線を正反対の方向へ放出します。この2本のγ線は消滅放射線(消滅γ線)と呼ばれ、
このγ線を上の写真の「PET-CT装置」で撮影することによって、身体の中のポジトロンの様子を画像にします。
ポジトロンCTでよく用いられる放射性同位元素は、炭素-11、窒素-13、酸素-15、フッ素-18です。

検査の種類



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