悪性リンパ腫とは

悪性リンパ腫の予後指数

1993年、米国・カナダ・ヨーロッパのグループは、共同研究で2,031例の中高悪性群非ホジキンリンパ腫に対してドキソルビシンを含む多剤併用療法を行った結果を解析し、
予後に影響する因子を抽出し報告しました。
これは現在IPI(International Prognostic Index)として中高悪性群非ホジキンリンパ腫の予後因子として用いられています。

全年齢の患者に対するIPI

IPIで上げられる予後不良因子は次の5点です。
@60歳を超える年齢である
A血清LDH値が上昇している
BPerformance Status(PS)が2〜4である
C病期がVまたはW
D2ヶ所以上の節外病変がある

当てはまる項目が多いほど、予後は不良です。
当てはまるものが何項目あるかによって、次のようにリスク分けされます。

low risk 予後不良因子が0〜1個
low-intermediate risk 予後不良因子が2個
high-intermediate risk 予後不良因子が3個
high risk 予後不良因子が4〜5個

60歳以下の患者に対するIPI

60歳以下の症例に対してAge-adjusted IPIが提唱されました。

Age-adjusted IPIで上げられる予後不良因子は次の3点です。
@血清LDH値が上昇している
APerformance Status(PS)が2〜4である
B病期がVまたはW

これも当てはまる項目が多いほど、予後は不良です。
当てはまるものが何項目あるかによって、次のようにリスク分けされます。

low risk 予後不良因子が0個
low-intermediate risk 予後不良因子が1個
high-intermediate risk 予後不良因子が2個
high risk 予後不良因子が3個

実際、中高悪性群非ホジキンリンパ腫に対し、幹細胞移植を行うかどうかをIPIで判断するようです。
つまり、high-intermediate群やhigh risk群では、最初の治療後、寛解状態にあるときに
自家末梢血幹細胞移植を行い、再発予防をはかることがあります。

低悪性度リンパ腫とIPIの関係

もともと中高悪性群非ホジキンリンパ腫の予後予測にと作られたIPIですが、
低悪性度リンパ腫の全生存率(OS)に対しても有用な指標だと報告されました。

注意しなければならないのは、低悪性度リンパ腫はそもそも「生命予後は良好だが、治癒するのは難しい」ものであるということです。
全生存率に対して有用であっても、無病生存率に対して有用かどうかははっきりしていないようです。

治療の目的が”治癒”なのか”長期生存”なのか、どちらを目標に治療するかによって全生存率に注目するのか無病生存率に注目するのか変わってきます。 そうすると、検討するべき予後因子も変わってくると考えられます。

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